伊勢木綿を織り続ける臼井織布ー製法の紹介

臼井織布

布が生まれる前。糸を「かせ」という
束の状態へすることを、かせくりと呼びます。
その後、汚れや油分を取り、
1本1本丁寧に整えていきます。

藍、お茶、くり皮…かせごとに染められた糸は、
昔から使い続けている木の糸巻き(ボビン)に
巻きつけます。部分整形の時、糸巻きは
一回250本ほどを何度か繰り返し、
多いときには全部で1200本必要になることも。

機械を動かすときは、傍らで絶えず人が見て
調整をしながら糸を巻いていきます。

布を織るときにより密度の高い布地にするため、
横糸には糊付けしません。
でも、縦糸には、柔らかく切れやすい繊細な
弱撚糸を使っているため、澱粉糊で糊付けをします。

糸巻きを「屏風」という形に
1本ずつセッティングし、
糸巻きから一本ずつ引き出した糸を、
さらに大きな「チキリ」と呼ばれる
織り機のパーツに巻いていきます。

根気のいる手作業を繰り返し、
ようやく機織りへと進みます。

いよいよ機織り。
チキリに巻きつけた糸を縦糸として
力織機に取り付け、機つなぎをします。
シャトルについた横糸が右へ左へと自動的に、
リズミカルに行き来し、
少しずつ綿布が織りあがります。

およそ1分間に織り上がるのは約3センチ。
一反分の約13メートルが織り上がるには、
ほぼ1日かかります。
その間もベテランの織り子さんがすぐそばに待機し、
絶えず織りあがりに目を配ります。

紐で「くちあき」と呼ばれる縦糸の空間を
調整するのが織り子さんの主な仕事。
以前は手直しと呼ばれていた、
この細やかな調整こそが、
織り上がりの風合いを決定するのです。

織り上がった伊勢木綿は、一度水通しをし、
陰干しを経て店頭へと並びます。

やわらかく、どこかぬくもりが感じられる
伊勢木綿は、こうして今日もひとつひとつ、
丁寧に織り上げられています。

  • お知らせ
  • 伊勢木綿とは
  • 製法の紹介
  • 木綿のキモノ
  • ネットショップ
  • 会社概要
  • お問い合わせ